疑問さん
韓国の大統領って、任期が終わるために逮捕されているイメージがあるのですが、なぜなんでしょうか?
この記事では、韓国歴代大統領の退任後にどうなったかについて記載していきます。この記事を読むことで、以下のことが分かります。
- 韓国歴代大統領の退任後の状況
- なぜ韓国元大統領のスキャンダルが耐えないのか
- 韓国の『国民情緒法』
韓国の歴代大統領、退任後の状況
崔圭夏(チェ・ギュハ)元大統領以外、全員が何らかのスキャンダルを抱えています。
崔圭夏(チェ・ギュハ)元大統領に関していえば、前大統領が暗殺されたため、臨時的に8ヶ月間のみ大統領になっただけでした。その他の歴代大統領は親族や本人が逮捕されていたりします。
韓国元大統領:李承晩(イ・スンマン)
在任期間:1948.7~1960.4。退任後は革命が起き、ハワイに亡命。養子が自殺。
韓国元大統領:尹潽善(ユン・ボソン)
在任期間:1960.8~1962.3。クーデターで辞任。軍法会議で3年の実刑判決。
韓国元大統領:朴正煕(パク・チョンヒ)
在任期間:1963.12~1979.10。退任した後、妻が暗殺され、本人も部下に暗殺される。
※朴槿恵(パク・クネ)大統領の父親。
韓国元大統領:崔圭夏(チェ・ギュハ)
在任期間:1979.12~1980.8。退任後、特になし。
韓国元大統領:全斗煥(チョン・ドファン)
在任期間:1980.9~1988.2。退任後に死刑判決(後に恩赦)。兄弟が逮捕。
韓国元大統領:盧泰愚(ノ・テウ)
在任期間:1988.2~1993.2。退任後は懲役17年(後に恩赦)。
韓国元大統領:金泳三(キム・ヨンサム)
在任期間:1993.2~1998.2。退任後に次男が収賄と脱税で逮捕。
韓国元大統領:金大中(キム・デジュン)
在任期間:1998.2~2003.2。退任後は息子らが不正蓄財で逮捕・投獄。
韓国元大統領:廬武鉉(ノ・ムヒョン)
在任期間:2003.2~2008.2。退任後、兄が収賄で有罪判決、収賄容疑をかけれら自殺。
韓国元大統領:李明博(イ・ミョンバク)
在任期間:2008.2~2013.2。退任後は兄が逮捕。妻のいとこが有罪判決。収賄容疑で逮捕。
韓国元大統領:朴槿恵(パク・クネ)
在任期間:2013.2~2017.3。退任後:は友人とともに収賄容疑で逮捕。
韓国の元大統領が逮捕される理由
法案の拒否権、軍の指揮権、政府や軍の人事権をはじめ韓国の大統領は権力を強く持っています。そういった体制であるため、大統領に金品と交換することで何かをお願いしにくる人が近寄ってきます。いわゆる忖度が行われやすい状況となっていることが原因としてあげれます。
韓国の大統領は絶大な権力を持っているため、大統領の親族や家族にもお願いをしに来る人がいます。表現は適切ではないのかもしれませんが、金品を渡すことなどによって親族や家族を利用し、大統領に口利きを頼みに来るということが起きてしまいます。
朴槿恵(パク・クネ)元大統領が逮捕されたのは政府とは無関係な人に相談したことが大問題となりました。しかし、諸問題を相談することはどの国の大統領でもしていることです。ではいったい何故これほど罪に問われるのでしょうか?
裁判所が民意をくみ取る「国民情緒法」とは?
韓国メディアが韓国の風潮を表現した言葉で、実際の法律ではありません。韓国国民の世論次第、つまり国民の情緒に流された判断や判決が言い渡されることがあります。
過去の判例でも、実際に国民感情によって判決が重たくなったこともあります。
2014年、死者約300名となったセウォル号沈没事件では、船長や乗組員の事故が起こってからの行動が問題視され、メディアに大々的に取り上げらることで、船長らに異例の殺人罪で起訴されています。
また、空港を離陸しようとしていた大韓航空機内でマカダミアナッツの提供の仕方に激怒した当時の副社長が、強制的に旅客機を搭乗ゲートへ引き返させたナッツリターン事件。これもメディアに大々的にほうどうされましたが、一審で懲役1年の実刑判決がでています。
その他、従軍慰安婦を学問的に研究する大学教授が本を出版しました。それのことが元従軍慰安婦に対する名誉棄損ということで有罪判決になっています。学術研究に有罪判決が出るのは世界でも稀な判決です。
最後に
韓国の大統領になるということは、その後を覚悟しないといけないということでしょうか。判決が国民感情に左右されるということは、司法がしっかりと機能しているとは言えない状況なので、韓国の大統領はかなり大変です。
メディアの報じ方一つで民意が左右される傾向があるため、結局のところ韓国でもっとも強い権力はどこかと考えた場合、韓国メディアではないかと考えざるを得ません。