日本ではメタボリックシンドローム、いわゆるメタボという言葉があるように太っている人も存在します。
外国人旅行者を見ると、日本人に比べてかなり体格の良い人が多いイメージがありませんか?
日本人、特に女性は体型に対してかなり意識が高い傾向があるように思いますが、世界と比較すると日本人の体型というのはどのようなものなのでしょうか?
ここではWHO(世界保健機関)のデータに基づいて、世界191の国と地域における成人の肥満割合をランキングしています。
肥満割合とは
まずは、肥満というものを定義しないといけません。
細かな定義も色々とありますが、ここでは体格指数のBMI(ボディ・マス・インデックス)を使用しています。BMIはどのように算出されるかというと、「体重(kg)÷身長(m)=BMI」という計算となります。
2016年の厚生労働省のデータに基づくと、日本における成人の男女の平均は、以下の通りです。
日本人男性 平均 |
日本人女性 平均 |
|
平均身長 (㎝) |
167.7 | 154.1 |
平均体重 (㎏) |
66.8 | 53.2 |
BMI | 23.75 | 22.4 |
WHO(世界保健機関)では成人のBMIの数値を4段階で判定しています。
BMI | 判定 |
18.5未満 | 低体重(やせ型) |
18.5~25未満 | 普通体重 |
25.0~30未満 | 過体重 |
30以上 | 肥満 |
BMIが30というと身長175㎝の人であれば約91.9㎏以上、身長160㎝の人であれば76.8㎏以上となりますので、日本人から見ると結構太っているなという印象に感じるでしょう。
ちなみに、理想的なBMIの数値は22だと言われています。
世界の肥満割合ランキング
(順位/割合/国名)
1位 60.0% ナウル
2位 55.9% クック諸島
3位 55.3% パラオ
4位 52.9% マーシャル諸島
5位 51.6% ツバル
6位 50.0% ニウエ
7位 48.2% トンガ
8位 47.3% サモア
9位 46.0% キリバス
10位 45.8% ミクロネシア連邦
11位 37.9% クウェート
12位 36.2% アメリカ
13位 35.5% ヨルダン
14位 35.4% サウジアラビア
15位 35.1% カタール
16位 32.5% リビア
17位 32.1% トルコ
18位 32.0% レバノン
〃 エジプト
20位 31.7% UAE(アラブ首長国連邦)
:
26位 29.4% カナダ
27位 29.0% オーストラリア
:
36位 27.8% イギリス
:
67位 23.1% ロシア
:
78位 22.3% ドイツ
:
81位 22.1% ブラジル
:
87位 21.6% フランス
:
106位 19.9% イタリア
:
140位 10.0% タイ
:
168位 6.2% 中国
:
183位 4.7% 韓国
:
185位 4.3% 日本
186位 4.1% ネパール
187位 3.9% カンボジア
〃 インド
189位 3.8% 東ティモール
190位 3.6% バングラディッシュ
191位 2.1% ベトナム
※出典:WHO 2017年9月発表 2016年調査データ
肥満の人が多い国
肥満の多い国のTOP10はオーストラリアの北東にあるオセアニア地域の国で占められています。
1位のナウルは10人に6人が肥満という結果です。リン鉱石が多く取れる国で、その輸出で暮らしが豊かになった結果、肥満率が増えたと言われています。
オセアニア地域では、やせている人は「食べれない人=貧乏人」というイメージがあります。太っている人の方が、社会的なステータスが高く、モテる要素となっているわけです。
これはオセアニア諸国に限ったことではなく、アフリカ諸国も同じような考え方をしています。
日本人はダイエットの必要がない!?
食糧危機の問題などで、世界にはまだまだ食料に困る人たちも多いのですが、一般的に経済が発展しているからと言って、肥満の割合が高いというわけではありません。
そこには食文化も大きく関わっていると考えられますが、体型は一つのステータスとして考えられていることの方が大きな要因だと考えられます。
つまり、その国での「理想的な体型」というものがあり、それが大きく影響している可能性が大きくあるということです。
日本で言えば、やせている人ほどカッコよく、美しく見えて、理想的な体型であると言えます。
どれだけ細い体型をしていても、日本人は細くなりたいという心理が働きますが、海外の人から見れば、日本人はダイエットなど必要ないと思われていることが多いです。
日本のある制度が注目されている
世界の全人口の約10%、約7憶人以上が肥満だと言われていて、中でも子供たちの肥満は深刻な問題となっています。食べ物がなく飢えている人がいる一方で、太りすぎも問題になっているというジレンマが世界にはあります。
日本の子供の肥満率は世界200の国と地域で男子が142位、女子が193位という結果もあります(出典:NCD Risk Factor Collaboration)。
その理由の一つが学校で実施されている『給食制度』です。
栄養士が食事のバランスを考えて作ったメニューが肥満の増加を抑えていると考えられています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本人は自分の体型のことをとても気にしますが、海外の人から見れば『日本人は細い』という印象があるようです。
実際にマルタ留学をした時や、ヨーロッパをバックパックしている時に、少し太り気味だった時期もありました。それでも、BMIでは25未満でしたし、ダイエットの必要はないと言われたことがあります。
海外に比べたら日本人は細いと思われていることも多いのですが、個人的にはBMIの理想値が22であること、健康面のことを考えると海外の人たちの方がもう少し痩せることを意識した方がよいのではないかと考えます。